中隊長としての戦場体験と教訓③

支那事変間中隊長として百数十回の戦闘を体験、そこから得た「戦場心理」「戦場における指揮統率の秘訣」を学ぶ最適な書
            高杉善治(陸士37期)支那駐屯軍中隊長、歩兵22連隊大隊長等

 徴候判断
 戦線ではいろいろな徴候が現われる。特に幹部はこの徴候を迅速に把握し、正鵠に判断する能力が必要である前方の部落に敵がいるか否かは五、六百米手前で双眼鏡でよく見るとわかることか多い。農夫が畑に出て仕事をしていないとか、住民が部落のあちこちにかたまって何か話し合っているとか、全然人気がないとかいうようなところには敵兵がいることが多い。だんだんなれてくると第六感というか、敵がいるぞという殺気を感ずるようになるものである。ここまで行けば大丈夫。

 私の連隊長は、頭のよい戦術の上手な人だったが、中支作戦の追撃の時、約七〇〇米位の広々とした水田にぶつかった。ふと見ると向う岸には敵が相当数陣地を占領していて、閑散な射撃をしていた。このまま前進をしたならば、水田の中で相当な損害を受けやしないかと考えていた。すると前岸の敵兵の若干名が、あちこちで後退するのが見えた。連隊長は直ちに疎開前進を命じた結果は大きな抵抗もなく、前岸にとりつくことができた。このやり方は、追撃戦の性質から見て当然なやり方ではあるが、なかなか思い切れない場面であろう。速かに徴候を発見し、これに戦術的判断を下し、果敢な行動に出られた処置に感心したものだ。
 敵の靴跡、車両の轍痕、敵の捕虜や戦死者の隊号等は敵の退却方面を知り、如何なる部隊が前面に来ているかを知るために大切な徴候であることをしばしば体験した。
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