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【歴史戦・第20部 孔子学院(2)】

【歴史戦・第20部 孔子学院(2)】
欧州の沿線国で関連行事急増 一帯一路に「奉仕」求められ 2018.4.12

 昨年12月12、13の両日、中国の古都・西安で「第12回孔子学院大会」が開かれた。13日の中国共産党機関紙、人民日報のウェブサイトによると、「協力を強め、イノベーションによる成長を促し、人類の運命共同体の構築に貢献する」をテーマとした大会には、世界約140カ国・地域の大学学長や孔子学院代表ら2500人近くが出席した。
 挨拶に立ったのは、孔子学院本部理事会主席を務めていた副首相(当時)の劉延東。孔子学院について「言語交流を紐帯(ちゅうたい)として親善増進の懸け橋、協力・ウィンウィンの推進装置となるべく努力する必要がある」と語り、「人類運命共同体の構築に新たな貢献を」と呼びかけたという。
 中国政府は、「人類運命共同体」と国家主席、習近平が提唱する広域経済圏構想「一帯一路」を重ね合わせる。中国の影響力や思想を世界に広げるための機関と位置付けられる孔子学院は、その最前線で「一帯一路」への“奉仕”を求められている。
 日本では北海道・釧路で孔子学院設置の動きがあった。「一帯一路」構想の一環として北極海航路の活用を検討するなかで、釧路港に注目しているとみられる。平成26(2014)年3月には札幌大学孔子学院の院長らを講師として、釧路で短期中国語・中国文化集中講座が開催された。
ある国の情報機関の調べによると、孔子学院側が世界各地で「一帯一路」を推進する目的で開催した行事は、把握できているだけで2015年に7だったが、17年には37にまで増えた。孔子学院のある地域と「一帯一路」を関連付けたシンポジウムや講演会が中心となっている。
 特に目を引くのは、37の行事のうち21が欧州で開催されたことだ。
 セルビアでは中国語を勉強する小学生や大学生ら約100人による「『一帯一路』・私と中国語の物語」作文コンクールがあった。
 なかでもマケドニアの聖シリル・メソディウス大学孔子学院は、2月に講演会「マケドニアの『一帯一路』構想と16+1協力における関係と発展」を開き、10月にも「中国-中東欧フォーラム 『一帯一路』構想における人的資本の作用」を開催した。ポーランドでも2回、クラクフ大学孔子学院で一帯一路に関する行事が開かれた。
 3カ国は「一帯一路」構想の「沿線国」。中国は旧ソ連崩壊後、疎遠になっていた中東欧諸国との経済関係を強化するため「16プラス1協力」の枠組みで、2012年から毎年首脳会議を開いている。
 ボスニア・ヘルツェゴビナでは18年1月にバニャルカ大学で2つ目の孔子学院が設置されており、中国がこの地域を重視していることは明らかだ。
■独首相お膝元で一致した思惑
 バルト海に面するドイツ北東部シュトラールズントは、中心部一帯が世界文化遺産に登録された街だ。石畳の通りを進むと、中世に歴史を遡(さかのぼ)る巨大なレンガ造りの市庁舎や教会が威容を誇る。「孔子学院」が入居するのは広場を挟んだ向かいの建物で、目立たない造りだが、観光スポットである市内の「一等地」だ。
 「私の地元に学院ができてうれしい。学院は両国民の交流と理解の促進に貢献できる」
 2016年8月末、開設式に出席した地元選出の独首相、アンゲラ・メルケルは挨拶で歓迎の意を示すとともに、こうも述べた。
 「学院は中国の伝統医学を紹介する点でも重要だ」
 シュトラールズントの学院は言語や文化とともに、「世界3カ所」(地元紙)しかない中国医学にも重点を置いた施設だ。実現の中心役は大学元学長で学院運営協会会長のファクル・ヘーン。長年かけて築いた中国との関係を生かし、メルケルの15年の訪中を好機に設立契約の署名にこぎ着けた。
 背景にはドイツ統一後、旧西側との経済格差が残る旧東側の事情もある。ヘーンは当時、学院設置に伴う「国際化」により、若者の流出で難しくなる学生確保を図り、中国医学を中心とした健康増進の「ヘルスツーリズム」を季節変動が大きい主要産業の観光の新たな柱にしようと考えた。
 大学と別に設置された学院は今、地域の学校にも中国語を教え、イベントや地元医療機関との協力を通じて中国医学の普及も図る。ヘーンは「今のところ活動は成功だ」と語る。
大学周辺で市民にたずねると、孔子学院の認知度は高いとはまだいえないが、イベントなどで協力もする隣の薬局の男性店長は「一歩一歩だ。期待はとても大きい」と語る。
 市長のアレクサンダー・バドロウも「1年で文化的豊かさをもたらした。ヘルスツーリズムは大きなチャンス」と評する。
>× × ×
 孔子学院本部のホームページによると、ロシアを含む欧州の学院数(孔子課堂は除く)は約170カ所。英国(23カ所)、ドイツ(19カ所)をはじめ各国をほぼ網羅する。中国の台頭ぶりを示すが、一方でその動きは警戒も生む。
 「独裁主義者の進行」
 ドイツのシンクタンク「国際公共政策研究所」と「メルカトル中国問題研究所」は2月、こんな表題の下、政治的な影響力の拡大のため、さまざまなレベルで行われる中国の試みに焦点をあてた報告書を発表した。
 報告書はその舞台を(1)政策決定を担う政治・経済エリート(2)メディア(3)市民社会と学術界-に分類。中国と関係を持つシンクタンクや留学生・学者団体などと並び、孔子学院は市民社会・学術界に働きかける手段の一つとの位置づけだ。
 共同執筆者の一人、メルカトル研究所のルクレチア・ポゲッティはその役割について「学術的議論に影響を与え、中国政府に不快な問題の議論を制限する」ことと指摘する。
英国のブリティッシュ・カウンシルやドイツのゲーテ・インスティトゥートなどの国際交流機関とは「独裁主義国家の指示や資金を受ける点で大きく違う」とした。
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 懸念を裏付ける動きはある。14年7月、ポルトガルで孔子学院も関わり、中国に関する学会が開かれた際、訪問した学院本部トップが、冊子に掲載された台湾の学術交流基金の紹介に反発した。
 スウェーデンのストックホルム大学は15年、欧州初だった学院を閉鎖した。大学幹部は当時、「他国の資金を受ける機関を大学内に設けるのは問題だ」と現地紙に語った。
 欧州は今、メディアを通じた偽情報の拡散など、ロシアが欧州に影響を及ぼそうと仕掛ける「ハイブリッド戦争」に直面するが、ポゲッティは「ロシアはやり方が破壊的で目標も短期的。中国は責任あるグローバル・プレーヤーとみなされたいため、戦略は長期的で、ソフトな手法をとっている」と分析する。
 欧州では現時点で孔子学院に対し、米国ほどの反発は起きていない。だが、学院が中国政府の影響下にあるとの認識は関係者に広がっている。
 ポゲッティは孔子学院などを通じた中国の影響力増大への対処にも欧州連合(EU)の連携は重要とし、「中国国家に付随する機関が介入しようとする試みに関し、加盟国間で情報を共有することも手段だ」と述べた。(敬称略)
ドイツ シュトラールズント
独シュトラールズントの孔子学院
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