北朝鮮人権調査:拷問実態生々しく 国連報告書

北朝鮮人権調査:拷問実態生々しく 国連報告書
毎日新聞2014年3月17日
 北朝鮮の人権状況に関する国連調査報告書は計371ページに及び、北朝鮮による「現代世界で比類のない重大さと規模の人権侵害」に光をあて、日本人拉致の実態を浮かび上がらせている。調査にあたったカービー委員長(オーストラリア)はホロコースト(ナチスドイツのユダヤ人大虐殺)を念頭に「第二次大戦中の枢軸国の行為と多くの点で似ている」と指摘した。

◇拉致・失踪
 報告書は1950年から組織的な拉致が始まり、朝鮮戦争(50~53年)時代に強制連行された韓国人を中心に20万人が拉致されるか、北朝鮮へ渡航後に行方不明になったと推定。17日の人権理会合の関連行事には日韓に加え、タイ、ルーマニアなどの拉致被害者家族もかけつけた。報告書は「これほどの頻度、規模の失踪は類を見ない」と結論付けている。

 拉致を担当した「朝鮮労働党35号室」に90年に配属された北朝鮮の元当局者によると「拉致、誘拐などの通常情報活動」が任務で、日本人の拉致を専門に実行する部署があった。

 当時、書記だった金正日(キム・ジョンイル)氏が外国人を北朝鮮に「連れて来る」よう指示し、拉致実行計画書に自ら署名していたとされる。外国人に北朝鮮渡航を促しても従わない場合には拉致したという。

 特殊工作や情報を担当する朝鮮人民軍の部署に所属していた別の元当局者は、海上での日本人拉致に関与。やはり、拉致計画の実行には金日成(キム・イルソン)主席または金正日氏の署名が必要だったと語った。2002年の日朝首脳会談で、金総書記は拉致について小泉純一郎元首相に「特殊機関の一部が妄動主義、英雄主義に走った」と説明していたが、矛盾が浮上した。

 拉致被害者の人数も食い違う。日朝首脳会談で北朝鮮側は日本人拉致について「13人(男性6人、女性7人)」と説明。日本政府は17人(男性8人、女性9人)を日本人拉致被害者と認定しているが、労働党35号室の元当局者は、拉致された日本人女性10人を個人的に知っていると証言。報告書は「少なくとも100人」の日本人が拉致された可能性があると推定している。

◇政治犯収容所
 報告書は北朝鮮にある収容所4カ所に現在も推計8万~12万人の政治犯が収容されていると指摘する。状況を「グラーグ(旧ソ連の強制収容所)よりもひどい」と形容し、過去55年間に収容所で死亡した政治犯は数十万人に上る可能性があると推定している。

 収容所に入れられていた男性は10年間で300体以上の遺体の処理を命じられたと証言した。遺体を埋めた丘はトウモロコシ畑にされたという。「ブルドーザーが地面を掘り返すと、人の腕や足が見えた。まだストッキングをはいている遺体もあった」

 元看守らの証言によると、収容所では政治犯を弱らせるためにトウモロコシと塩など意図的に粗末な食事しか与えず、餓死する者が相次いだという。収容所にいた女性は「赤ん坊に食べさせるためにヘビやネズミを捕まえて調理した」と語った。

◇拷問
 報告書によると、拘置施設における拷問は「尋問で常態化」している。元囚人は後ろ手に手錠をかけられて壁につるされて殴打されたり、水責めを受けたりといった様子を証言した。

 元編集者の男性は、金日成主席のつづりを間違えただけで、教化施設に6カ月間収容された。また、強制収容所で同室だった妊婦が出産直後に看守から暴行を受け、赤ちゃんをたらいの中に入れて水死させることを強要されるのを目撃したとの証言もあった。

◇飢饉
 報告書は、北朝鮮が食料を国民支配の手段に使っており、経済・農業改革を怠った結果、1990年代に飢饉(ききん)が発生したと指摘している。【ジュネーブ福島良典】

◇北朝鮮の人権問題を調べる国連調査委員会の経過◇

2013年
3月 拉致問題を含む北朝鮮の人権侵害の実態を調べる調査委員会を設置する決議案を国連人権理事会が全会一致で採択
8月 ソウルで脱北者から話を聞く公聴会を開催
   東京で拉致被害者家族らの公聴会を開催
9月 調査委が国連人権理で「北朝鮮が深刻な人権侵害を犯している恐れがある」との中間報告
10月 ロンドンで脱北者らの公聴会を開催
   ワシントンで脱北者らの公聴会を開催
2014年
2月17日 調査委が最終報告書を公表
3月17日 調査委が国連人権理に報告書を提出
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